信頼(後藤恭子)
スマホで写真を撮っていたら「もうデータがいっぱいですよ」という意味のお知らせが表示された。ストレージがうんぬんと書いてあり、さらにデータを保存するためには月額これくらいの料金がかかります。早めに対応してくださいね、というお知らせだ。 画像を整理した方が良いだろうと昔の画像を見返していると普段忘れている場面が沢山あった。市立病院を建設する前の駅前広場にレンガタイルで作られていたサン・ファン・バウティスタのモザイク画。ブルーインパルスが松島基地に戻ってきた際、トラックの荷台に紅白の幕を張り、急ごしらえで作られたステージにブルー隊員の皆さんがぎゅうぎゅうに並び、笑顔の場面。飼っていた猫が、魚をさばいている私の足元にじゃれついて「お裾分け待ってます」アピールをしているところ。毎年の桜、毎年の3月?日。 今年の3月11日もラジオ石巻は特別番組を放送した。地域の皆さんが語った震災当時のことやその後、現在について。また、今年度で閉校する門脇中学校の皆さんの、未来への思い。さらに自衛隊OB時藤和夫さんの話もオンエアしている。 震災当時業務群司令として、その後基地司令として勤務した経験を基に当時の基地の動きや、その後の自衛隊派遣について防災、減災について語ってもらった。時藤さんは現在自衛隊OBとして、また個人的にも防災につながる活動をしている。そんな時、藤さんからは「信頼関係を一つずつ積み重ねていくことが防災につながる」と話があった。何かあった時にはこの「人」に頼めば大丈夫、という信頼が、さらに多くの人が助かるためのつながりになる。情報共有になる。防災には日頃からの関係構築に時間をかけることが大切なのではと。 少しずつ、時間はかかるけれどスマホの写真のデータのように「信頼」を積み重ねていきたい。 とエラそうなことを言ってみたが、まずはこのコラムの締め切りを守らないと(スミマセン)。日々の放送もポカがなくなるように、一つずつ。