「いずい」(佐々木恵真)
先日、私が担当する番組にこんなメッセージが届いた。
東京で勤めていた頃、先輩からかっこいいバイクを借りることができた。早速東京生まれ東京育ちのイケてる彼女を後ろに乗せて走っていた時のこと。シートに違和感を覚えたため、ふと「何かいずいな」とつぶやくと、後ろに乗っていた彼女が「いずいって何〜?」と聞いてきた。僕は「やばい!?いずいって方言だったのか!?このままでは田舎者だと思われてしまう!」と思い、とっさに「いずいっていうのは、お前のことが好きだって意味だよ!」というと、彼女は腰に回した手にぐっと力を込め「私もあなたのことめっちゃいずいよ〜」と言ってきた―というものだ。
このメッセージを紹介した後、番組には次々と「いずいの話面白かったです!?私えまさんのこといずいです!」など新しいいずいを使ったメッセージが届き始めた。また次の週には「いずいの話を旦那にしたところ、おまえのこといずいよって言ってもらえました!」といううれしい報告まで届いた。
あるアンケートによると、いずいは宮城県以外の人に通じなかった方言第1位だそうだ。言うまでもないが、いずいは「しっくりこない」という、どちらかというとマイナスなイメージの意味を持つ。しかし番組での言葉遊びはとても楽しく、リスナーさんからもたくさんの反響があった。
言葉だけで伝えるラジオ。
私はいつも自分が心から楽しみ、その波動が電波を通してラジオを聴いている方々に伝わり、一緒に楽しい気持ちになってくれたらいいなと思っている。
今回の出来事は、ラジオを聴いてくれている方々にちゃんと伝わっているんだと実感できる幸せな時間となった。
ぜひみなさんも、ラジオを聴いて一緒に笑ってみませんか?
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