「感謝の気持ちを込めて」(阿部利佳)
先月、あいプラザ石巻の「話し方読み聞かせ教室」が16年の歴史に幕を下ろした。講師は、長年石巻の演劇をけん引されている三國裕子さん。 今回、私も11年半受講していた、この「話し方読み聞かせ教室」について、つぶやきたいと思う。 私たち5人の受講生は閉講の前に完結したいことがあった。毎年発表会で群読している絵本「あらしのよるに」のシリーズ7最終章が未発表のままなのだ。雪崩に巻き込まれたオオカミと、凍えそうなヤギは一体どうなったのか??結末は? コロナの影響で人を集めた発表会はかなわぬが、記念に最後の群読をビデオ撮影することになった。撮影と編集は、ラジオ石巻で土曜日のお昼12時半から放送している「劇場キネマティカ」のMCチンさん、ネモさんにもご協力いただいた。仕上がりはもう少し先のようだが、いつか皆さんと鑑賞会ができたらうれしい。 この教室は、月に2回の2時間、歌舞伎の外郎売(ういろううり)の発声練習や絵本、詩の朗読をする。一般的に緊張すると早口になり、とにかく原稿(本)を間違わずに読むことだけを意識してしまいがちだ。 三國先生は、話をするときは相手に伝えようと気持ちを込めることが大切だ。そのためには「間」が大事で、焦る必要はない。自分が理解していないことは、相手に伝わらない。発表会などの目標を持つことで向上する。などと常々おっしゃっていた。 先生や他の受講生は60〜70代で、私にとっては人生の先輩がほとんど。夫やおしゅうとさん、子育ての経験までお話ししてくれ大変参考になった。子育て中の私にとって、かけがえのない癒やしの時間でもあった。今まで、ありがとうございました。 来年、三國先生は石巻市複合文化施設(マルホンまきーとテラス)で公演を予定している。詳細は言えないが、かなりの大作。前に、先生は女優として伝える使命があるとおっしゃった舞台だ。相当の覚悟を持っての大舞台、陰ながら応援したい。