「偶然を捕まえろ!」(青木絵美)
職場体験の季節がやってきた。短い時間だが、中学生と話をする時間はとても新鮮だ。とくに夢を語る姿は輝いていて、思わず「頑張ってね〜!」と言いたくなる。きっと遠い日の自分を重ねてしまっているのだろう。 紆余曲折とはよく言ったもので、人生はイコール紆余曲折だ。そんな中、夢をかなえた人のインタビューでよく聞くのは「偶然」「たまたま」「いつの間にか」という言葉。かくいう私も、偶然目にした新聞広告でラジオ石巻と出合っている。「私は中学生の頃からラジオが好きで、今はラジオの仕事をしています!」なんて言ったら、小さい頃からの夢をちゃんとかなえた人みたいに聞こえるだろうが、曲がりに曲がってうんと遠回りした結果、こうして今に至っている。 これはただのラッキーだったのか。その偶然がなければ今の自分はなかっただろう。しかし、そうやって偶然が縁になって生きている人は意外に多いような気がする。これはきっと偶然を捕まえたということなのではないだろうか。 「チャンスの神様は前髪しかない」。これは「好機はすぐ捉えなければ、後から捉えることは難しい」という意味で、ギリシャ神話に登場する神カイロスがモデルと言われている。つまり、チャンスは偶然を装って近づいてくるから、その瞬間にしっかりと捕まえなければならないのだ。そして、それはいつやってくるか分からない。今日や明日なのかもしれないし、ずっと先のことなのかもしれない。だから夢に向かっている皆さんは、決して諦めないでいてほしい。遠回りしてしまうこともあるかもしれないけれど、きっとチャンスはやって来るから。 パーソナリティー志望だった私は、今、ディレクターやPAの仕事にとてもやりがいを感じていたりもする。仕事が楽しいと思えるのは本当にありがたいことだ。 ちなみに、カイロスの前髪は意外と長いようだ。だからきっと、結構つかみやすいはず!