「あいのり」  (阿部利佳)
受験シーズン真っただ中ではあるが、高校3年生の中には自動車学校に通っている人もいるだろう。私も高3の冬に免許を取った。運転歴も約?年、今の車で4代目だ。
初めての愛車は、スズキの軽自動車「セルボ」。親戚から譲ってもらった中古車。黒いボディーはカブトムシみたいで赤いシートがおしゃれだった。
しかし、エアコンもカーステレオも付いていなかった。故障していたのかもしれない。それでも、買い物や行楽には大変重宝した。
夏は、手動の窓をくるくる回して風を切って走らせる。冬は、厚着をすれば何とかなった。音楽は、ダブルラジカセを後部座席に持ち込んだ。お気に入りはドリカムや今井美樹、徳永英明。CDをレンタルしてきてカセットテープに録音し、歌手や曲名を書く。面倒だけど、楽しかった。ダブルラジカセはやけに細長く軽かった。カーブやブレーキで座席から何度転がり落ちたことか。
そんな愛車「セルボ」のカーキーに、どこかの店でもらった憧れの車「VOLVO(ボルボ)」のキーホルダーを付けていたが、見た目の悪さから友人たちからは「ボロボ」と言われていた。
確かにボロかった。車体の左前は柱にぶつけてしまい、ベコリとへこんでいた。が、運転には支障がないので、そのままにしていた。さらに車内の天井に貼ってあるシートが少しずつ?がれ、しばらくはテープで貼って落ちないようにしていた。しかし、ついに顔面までベロリと垂れ下がり、手で押さえながら運転することも、しばしば。そういうわけで、2年ほどお世話になった「セルボ」とお別れし、新しい車を買うこととなった。
これは、私の初めての愛車エピソード。今度は、あなたの愛車エピソードをお聞かせください。この時期、教習所や受験の思い出などもいいですね。リクエスト曲もお待ちしています。一方通行ではない放送、すてきな時間を共有する「あいのり」をしませんか。(パーソナリティー・阿部利佳)