「にゃんにゃん記念日」  (青木絵美)
ラジオってやっぱり面白い、と足取りが軽くなった。その日は朝から4本の収録を終えて、1本編集もして、らじいし号が行く〜の中継に行っていた。かわまち交流センターかわべいから、ちょうど今日の「にゃんにゃん記念日」のイベントを紹介したところだった。戻ってこの後収録3本。コラムも書かなきゃ…と、ときどきある超ハードスケジュールの一日を何とか乗り切ろうと必死だった。
すると一本の電話。知らない番号だったが、仕事の電話かもしれない。とりあえず出てみると懐かしい声が聞こえてきた。
コロナ禍で全然お会いできていなかったYさん。「ラジオずっと聞いてたよ〜。」なんてうれしい言葉を掛けてくれる。たった今終えたばかりの中継も聞いてくれていたらしい。そして驚きの事実が! 「うちの息子、平成2年の2月22日、午後2時22分生まれなの〜!」えー!と驚きながら話の続きを聞いた。
助産院で出産したというYさん。赤ちゃんを取り上げる時、助産師さんは自分の手首に生まれた時間をメモするのだという。それを見ながら出生届を記入していた助産師さんがハッと気が付く! バタバタと階段を上る音。「ちょっとこの子!大物になるよ!」と飛び込んでくる助産師さん。もうろうとした意識の中、「何?4`くらいあったの?」と言葉を返すYさんに、それはもううれしそうな助産師さんが記入を終えた出生届を見せる。「あら〜!」と顔を見合わせる2人。途中から私の創作の物語になっていたかもしれないが、話を聞いてそんな暖かい光景が目に浮かんだ。さっきまでの疲れも吹き飛ぶようなすてきな話を聞いて、私は足取りも軽く局に帰った。
ラジオならではのリアルタイムの反応。たまたま知り合いの方だったので直接電話がかかってきたが、リスナーのみなさんとはメールなどでいつでもこんなうれしい話を共有できる。やはり時間を共有できることがラジオの良さだ。今日のにゃんにゃん記念日は、どんな時間を一緒に過ごしましょうか。午後の番組もどうぞお楽しみに!(アナウンサー・青木絵美)