「朗読はお好きですか?」(青木絵美)
ラジオ石巻では、第5週があるときだけ放送されるレアな番組がいくつかある。「朗読番組 Reading Reading」もその一つ。高校卒業後、地域おこし協力隊として石巻に移り住み、協力隊を卒業した後も石巻で生活を続けているタケイユウスケさんとともにお送りしている番組だ。
近年、時間の有効活用としてオーディオブックという「書籍を朗読した音声を聞く形で読書に代えるもの」が流行しているが、そんな「聞く読書」をラジオでもやってみようと思い始めた試みである。ちょっとしたフリートークや音楽を交えての29分間。紹介する作品は青空文庫からタケイさんが選び、朗読している。私は主に読み間違いのチェックや収録後の編集を担当しているが、時間が余ったときなどは自分の朗読を追加することもある。ここ数回はまったく読んでいないので少し寂しく感じていたりする。
 1年半ほど前から、朗読の依頼をいただくようになった。歌と朗読の組み合わせでイベントを行ったり、朗読のみで出演してほしいというものだ。6月9日(日)には、ラジオ石巻でもおなじみのボーカリストSAKUYAさんとともに、歌と朗読でゆったりとした時間を過ごしてもらえるようなイベントを開催することになっている。忙しい現代人に、スマホから離れて日ごろの疲れを少しでも癒してもらうことが目的だ。そのために私はあえて「眠くなるような朗読」をする予定だ。
 先日は、コーディネーターを務める311みやぎ語り部講話の中で、絵本の朗読を行った。震災で起こったこと、悲劇に見舞われて立ち止まった人が再び歩き出す姿などが描かれていて、非常に胸を打つ物語だった。練習のときは声が出せなくなってしまうほどだった。この朗読の模様は6月18日(火)15時からの「市民とつなぐあたたの出番です」で放送する予定だ。朗読という新たな挑戦を、私はこれからも続けていきたい。